第7章 [ろ] ロザリオに愛を、薬指に口づけを。....R18
それから俺は、茉莉さんからの連絡をことごとく無視した。
メッセージアプリも未読でスルー。
通知の数が溜まっていく。
その分、俺は近づいて来る春高予選に俺は集中した。
何も考えたくない。
今、目の前にあるものに集中したい。
バレーに集中したおかげか、春高予選は勝って勝って勝ち進み、トップ4。
東京都代表決定戦に出場することになった。
季節は少しずつ過ぎ、代表決定戦を来週に控えた11月16日。
そう、約束の第3金曜日。
部活が終わり後片付けをしながらコーチを待っている途中、ボトルを洗いに行ったリエーフがボトルも持たずに体育館に帰宅。
体育館入り口から対角線上にいる俺に声をあげた。
「黒尾さーん!美人のおねーさんが黒尾さん呼んでって言ってますよー!!」
「リエーフ声でけえ!!ンな声出さなくても聞こえるってーの!」
話していた海から視線を外すと、いたのは茉莉さん。
もうしわく無さそうな顔でリエーフの陰に隠れている。
海に片付けの確認、終了の点呼を任せると俺は茉莉さんに向かう。
そして目も合わせないまま体育館裏へと引っ張っていった。