第7章 [ろ] ロザリオに愛を、薬指に口づけを。....R18
いつも通り茉莉さんの飯を食って、そのあと先に俺が風呂に入る。
そんで、茉莉さんが風呂に入るのを待つ。
「おまたせ。」
風呂から出てきた茉莉さんは"いつも通り"黒のレースの際どいキャミソールと、お揃いのパンティを身につけていた。
そして首からはロザリオ。
「これ…」
「じゃあベッドに来てください。」
黒の細い、柔らかな布。
いつも通り手渡され、それをベッドの淵に座る茉莉さんの瞳を覆うように被せる。
「茉莉…」
名前を呼べば、俺は彼女が望む"別の誰か"になる。
「…"テツヤ"」
「茉莉。」
声を潤ませ、俺に縋る茉莉さんを、俺はどうしても突き放せないでいた。
「テツヤ、お願い、抱いて。」
好きな人が別のやつを思いながら自分に抱かれる。
そんな、苦しい現状。
それから抜け出せない。
いつも"始まり"の時によぎる葛藤。
でも、茉莉さんの身体に触れると反応する自身が葛藤を打ち消していく。
「テツヤ…好き、好きよ。」
泣きながら俺に抱かれる彼女の胸元には
いつものロザリオが光り輝いている。