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黒猫Punch‼︎ 〜黒尾鉄朗HB企画mini〜

第2章 [く] クロ猫と傘と恋....R18



「いや、俺がソファーで…」

『いや、丈が無理でしょ?
良いよ気にしなくても
何があったか知らないけど
甘えられる時には甘えるもんだよ』

無垢な顔で
なんの見返りもなく笑う茉莉さんに
感謝するどころか

「…騙されそうな性格って
言われねぇ?
俺がオオカミさんだったら
どうするんだよ」

なんか無性にイライラした

アンタ、なんなんだよ。
そんな綺麗な目で見るな
欲にまみれたメス猫であってくれたら

『オオカミさんは
寂しいの?』

「は?」

『ずっと暗い目してる、から…』

「だったら?
アンタが慰めてくれるんですかァ?
それともアンタも慰められたいヒト?」

俺はいつも通り気ままな野良猫の
仮面かぶったまんまで居られるのに

必死に悪ぶって床に押し倒し
顎をクイッと跳ね上げて
その純粋な目を見据えると

『…あの…なにを…』

戸惑いながら
俺に静かに問い掛ける

「分かんでしょー?
いい大人なんだから」

早く化けの皮、剥がれろよ

「もしかして
無理矢理されるのがお好みですかァ?
好きにシテやるから
お強請りしてみたら?」

首筋に埋める顔
甘い香りは他の女と変わらないのに

『じゃあ…』

「ナニ?」

『教えて?キミの事
私に何が出来るかも…』

なんでそんなにも透明なんだよ
少しでも汚れてたら
そこに隠れてられるのに
まるで水みたいに澄んでて
俺の心まで映してしまいそうで

「…何も…しなくて良い…
少しだけココに居てクダサイ」

上手く取り繕えず溢れる本音

『…うん。分かった
ねぇ?名前は?』

「クロ
アンタは?
…あ、下だけで良い」

こう言ったのは悪あがきの名残り
この人に

『…茉莉』

茉莉さんに縋りつき過ぎてしまわぬ様に…

精一杯、張った意地だった

「…あったけぇのな…
寝れそう…」

『どうぞ?寝るまで居るよ』

「ラッキー…」

茉莉さんにしがみついて
疲れを伴わない眠りを手に入れた

泊まって抱かなかった女は
初めてだった
泊めておいて俺を求めない女も
初めてだった

それから頻繁に通う様になった
茉莉さんの部屋
身体の関係はなくて
ただ抱き締めて眠る

いつも荒れる時期は
茉莉さんの所へ出向いた

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