第5章 [て] 天に梔子-くちなし-....R18
「…っ、やっべ…っ、きもちい」
黒尾を跨いで反り立つソレを膣の中へ埋めると、たまらずといった様子で黒尾が切なげな顔をする。ビク、ビク、と脈打つものを膣内で感じる度に、腹の底から押し上がってくる衝動と熱が茉莉の胸をじわじわと焦がした。
「茉莉、今日は、ありがと…な」
「う、ん…?」
「誕生日、祝ってくれて」
「でも…プレゼント、何も用意できなかった」
茉莉が揺れ動くことを止めると、黒尾の上半身がのんびり起き上がる。片肘で身体を支えながら、もう片方の掌が俯く茉莉の頬を撫でた。
こんなことで泣きたくなるなんて可笑しな話だ。
黒尾の触れかたがいつにも増して優しく、払拭できないしこりの欠片が隙間から小さな芽を覗かせる。
「んじゃあさ、いっこお願い聞いてもらってもいいですか、いーんちょー」
「……な…っ、に?」
返事が跳ねる。
ズン、と下から突き上げられると、緩急をつけながら腰を動かす黒尾の首に腕を巻き付け、茉莉は自分の身体を密着させた。
「俺、らの、関係さ…っ」
「ん、ん…っ、」
「そろそろ、みんなにバレてもっ、よくねぇ?」
「っ、あん」
弱いところを執拗に攻め立てながらそんなことを言うなんて、本当に黒尾はずる賢い男だと思う。
この体位は茉莉が最も早く絶頂を迎えてしまうことの多い体位だ。加えて今日は普段より数倍も昂っているためか既に思考能力が色を失いはじめている。
「茉莉、すげえ、好き」
「や…っ、奥…あた…っ」
「駄目、か? 俺じゃ、お前の彼氏に…っ、相応しく、ない?」
「つ、まって、鉄朗」
「なあ、俺のこと、好き…っ?」
「あ、あ、あぁ」
背中にがっしりと回された黒尾の腕が茉莉をきつく抱き締めた。これでもう逃げ出せない。力では到底敵わないし、離れる隙は一ミリもなくなってしまった。
「…っ、なんで、俺と、付き合ってんの」
「や、や、鉄朗…っ、イッちゃ…っ」
「卒業までの、暇潰しか…っ、?」
___違う。
頭の中で弾き出した言葉は声にならず、茉莉は黒尾の背中に指先を強く食い込ませた。