第4章 [お] おとがいにそっと口付けて....R18
低く囁いて、俺の指はゆっくりと繁みを撫でていく。
弾む彼女の息遣い――耳に心地よい。
武者震いみたいな、それよりももっと熱い感覚がゾクゾクと背筋を駆け上っていく。
頭の片隅にあるたった一片、残された冷静な部分が
「お前、なにしてんの?」
と己の常識はずれの行動をたしなめてくる。
誰か来たらどーすんだよ、と。
(そん時は、そん時ってコトで…)
彼女のビキニラインを辿って降りて行った指先が、ぬるりと滑って奥へ進んでいく。
茉莉の甘く呻く声。
もっと聞きたくて、唇を湿らせた俺はいつのまにか溜まっていた唾液を飲み下し、彼女の溢れ出た熱量を指で丁寧に引き伸ばして「なぁ」と話しかける。
「いつもより、濡れてるよな」
「ぁ、違、ぅ…ぁ…」
「じゃあ、いつも、こんなに、濡れてんだっけか」
緩く頭を振る彼女に小さく笑って、俺はそんな彼女の首筋に「いま」の痕跡を残す。
「痛っ…」
「いつもどおりなのか、いつも以上なのか、どっちですかー? 皆川さん」
問いかけながら、少しだけ身体を離した。
気配を感知した茉莉が俺の方を向いて、緊迫感から解き放たれた安堵の表情を浮かべる。
驚きと物足りなさも垣間見せて。
いまにも泣き出しそうな2つの瞳を見据えて、俺は、人差し指を彼女のナカへ沈めて行く。
無意識なんだろう、腰をくねらせて彼女がねだる。
いつになく積極的な動きに欲情して、茉莉の片脚を抱えては、指を根元まで挿れて彼女が好む場所を圧し撫でてやる。
「んんんんんっ…!」
膝から先をぴくぴくっと震わせつつ、自分で口を押さえてよがる姿は淫猥の極地で、俺は何度も指を抜き差ししては優しく彼女を蹂躙する。
途中で指を増やして愛液を掻き出し、膨らんだ敏感な場所も同時に強く柔く愛していく。
悶えながら腰を揺らす彼女の耳元で、
「聞こえますかね、皆川さん。ほら、こんな音、しますよ」
と囁いてわざと蜜音を立てれば、自らの口を押さえていた両手を解放した茉莉が抱きついてきた。
そうして彼女は喘ぎながら、白衣の上から俺の下半身を愛撫しだす。
「鉄朗っ…あっ、あ、あっ」
「ッ…コラ…挿れたく、なるって…ッ」
「いいよ、ぁ、あっ、挿れ、てっ、いい、よっ」
苦しげな声音の大胆な誘いが俺の下半身を痛いほど強くさせた。