第4章 [お] おとがいにそっと口付けて....R18
軽く咥えた唇の輪郭を舌先でなぞれば、茉莉の身体が揺れて扉にぶつかる。嵌め込まれた“すりガラス”ごと扉が小さな抗議の声を上げる。
俺は改めてその扉に茉莉を押し付けて、今度は彼女の下唇を舐めて吸った。
「…ぁ…」
吐息に甘やかな声音が乗ってくる。
身体中の血が一瞬で沸き立つ。
優しい口付けがまどろっこしく思えて、食らいつくようなキスに変える。
「んっ…てつろ…」
俺の名前を紡がせる余裕すら与えてやらない。
彼女をリップ音の海に沈める。
より深く口付けようとした矢先、伊達眼鏡がずり落ちてきた。
…クッソ邪魔。
俺は一旦キスを解き、外した眼鏡を胸のポケットに仕舞う。やっぱ、裸眼が1番だわ。
盛り上がってきたところを邪魔された眼鏡に舌打ちしかける。が、しなかった。
頰を上気させた彼女が薄く目を開き、続きをねだるように小さく赤い舌を出してきていたから。
――完全に煽られる。
「茉莉…」
俺を求める茉莉の舌に自らのを絡め取って、そのままねっとりと唇も食んで、俺はいつものように彼女の口内を愛撫する。
くちゅくちゅと響き始めた音の合間、押し殺せず漏れる喘ぎに俺の中の雄が猛り荒ぶる。
彼女の服をたくし上げてブラの下に手を突っ込めば、指に吸い付くような肌から感じる心地良い温もりと弾力。
残っていたはずのなけなしの理性が吹っ飛んだ。
綺麗さっぱり。
「茉莉ッ…」
親指で、まだはっきりと輪郭を現していない胸の頂きを円を描くように撫で、手のひらでグッと鷲掴みにする。
嘘みたいに柔らかい。
“初めて”の時から、もう数えるのなんて忘れたくらい触れているのに、変わらない。
いつも俺を興奮させる。
親指の爪先で弾いた先端がいつのまにやら硬く上向いていて俺は摘んで刺激を与えた。
「ぁ…」
「もう勃ってきた」
聞こえるようにひとり言を場に落とし、俺は手持ち無沙汰な左手もブラの中に突っ込む。
そして、両手の指でボリュームでも調整するように彼女の胸の先をいじっては際立たせてみせた。
「…ぁ…ふぅ、ん…」
半開きにした唇から彼女が色香を撒き散らし始める。
たまらず、俺は唇を胸へ運んで彼女のうわ言めいた声をさらに引き出すことにした。
「ぁ、だめっ…」