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黒猫Punch‼︎ 〜黒尾鉄朗HB企画mini〜

第10章 【番外編】イケオジ鉄朗と年下彼女



自宅に帰り、早速持ち帰った惣菜を食べる。評判通りの味。それに終始彼女の顔が頭の中でチラつく。

いやいや…
どうした、俺。

数年前、嫁と別れてからと言うもの、最初の一年は片っ端から言い寄ってくる女を抱きまくった。他の男と消えていったアイツへの当て付けみたいなもんで、そんな生活もすぐに飽きてここ最近は恋愛なんかとは無縁の生活を送っているわけだが。

ケーキ食いたいとか言ってたな…
あ、何処だったかな。
日曜にテレビで特集やってたケーキ屋。

いやいや。
今日会ったばっかりの子相手に
何考えてんの?俺。

相手は多分学生だろ。
俺みたいなおっさん、
相手にされないっつーの。

え?いやいや…
待て待て待て…
ナンデスカ?この動悸は…?

40手前のおっさんが、
久しぶりに恋に落ちた瞬間だった。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


黒いストッキングをするりと脱がされ、ベッドに寝そべる私の左脚を持ち上げると、黒尾さんは爪先にそっと口付けた。敏感なところに触れられ、ビクリと身体を跳ねさせると、妖艶な笑みを浮かべてそのまま足の付け根に向かって何度もキスを落としていく。


「ンンッ…あっ……んっ」


先程から手が封じられているせいで、身をよじるしかできず私は与えられる刺激から逃げる術がない。


「こんな、する為、の、プレゼントじゃないっ…んっ…」

「分かってる。でも、この格好すげー可愛いんですけど?」

「黒尾さんの、ばかぁ…」

「来週からちゃんとこのネクタイ仕事でするから、な?機嫌直して下さいな。」


悪戯っぽく微笑んだ彼はチュッと音を立て、私の両手首と格子状のベッドのヘッドボードを結んださっきプレゼントに渡したばかりの新品のネクタイにキスをする。


「絶対ですよ?私、普段から黒尾さんに貰ってばかり何だから、たまにはお返ししたいんです。」

「そんな事気にしないでいーの!俺は茉莉ちゃんがそばにいてくれるだけで十分幸せなんデス。」


あぁ…私と黒尾さんはどこまでも対等になれないんだ。私はそう思った。彼は私を拾った捨て猫のように可愛がり優しくしてくれるけれど、所詮それだけの事しか私には出来ないんだ。

年が離れているから?
私が美人じゃないから?
やっぱり私は似合わない…?
この部屋も、黒尾さんの隣にいる事も。

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