【JOJO・アヴドゥル夢※R18】先生と一緒に【現パロ】
第8章 これ以上焦らすんじゃあない
「……アヴドゥルさん、あんなに堅物さんだったのに急に甘々じゃあないですか……?」
「私は元々炎のように熱くなる性格だぞ。そりゃあ大人だから普段は抑えているさ……彼女の前では熱くなってもいいだろう?」
とは言っても、今まではあまり女性に踏み込むのが苦手でマライアに言われた通り、「いい人止まり」でつまらない男で振られまくる人生だったが。とアヴドゥルは内心思うのだった。
姫の前ではさらけ出せるのだが。
姫は姫で、アヴドゥルに彼女と言われ、ついつい表情が緩んでしまった。包丁を扱う手つきが危なっかしくなる。
「……仕事はずっとあのファミレスでやるのか?」
「はい。時給もいいので」
「あんな遅くまで彼女を外で働かせたくない。俺が生活費くらい」
「ダメです!」
きっぱりと姫は断った。
包丁を置いて、背中に抱きついているアヴドゥルと向き直る。
とても真剣な表情をしている。
「すごーく美味しいお誘いですが、大切な殿方に甘えるなんてできません!」
「だったら毎晩迎えに行く」
駄々っ子のようなアヴドゥルを見て、姫はついつい吹き出してしまう。意外と彼の本性が心配性の熱い男だということ。それを知ってるのは自分だけだと思うと嬉しさを感じた。
断ったが、確かに毎晩0時終わりの1時帰宅、予習復習、実習生活に疲れ果てているのも事実だった。
「では、もう少し早い時間のお仕事を探すとか……」
俯く姫。
「……短大の心理学教授がアルバイトの助手がいなくて困っている。事務員の仕事も兼ねているから忙しいんだよなぁ……ン?」
アヴドゥルを見上げると、彼は、すりすりと顎に手を当ててこちらを見てウインクした。
「(先生って……結構甘えん坊……!?)」
これから、アヴドゥル先生と一緒に過ごす日々が始まるのだった。
○
作った夕食を2人で食べ、日が落ちて外が闇の覆われた頃、アヴドゥルはようやく玄関に立った。スーツを着て、ヘアスタイルも整え、忘れ物がないか確認するとバッグを片手に持った。
その時、アヴドゥルの裾をくいっと姫が摘んだ。
学校の時の、誘う時の仕草で何故か懐かしさを感じる彼は、彼女を抱きしめた。