第6章 夏の終わり
これはなんの匂い…?
頭の芯がぼうっとするような、甘い匂い…
重ねられた唇から、舌が出てきて。
俺の唇をべろりと舐める。
頭の後ろに翔にいの手が回されて、角度を変えて唇を貪られるようにキスされて…
なにやってんだ男同士で
なにやってんだ従兄弟同士で
そうは思うんだけど、甘い匂いと…
そして、翔にいのキスは気持ちよくて
突き放すことができない。
やっと唇が離れていったかと思うと、”お願い触って”とまた囁く声が聞こえて…
俺の首筋を翔にいの唇が這い回って…
ゾクゾクが止まらない。
指先に触れた皮膚の感触をもっと感じたくて。
ゆっくりと指を動かすと、びくりと翔にいの細い身体が跳ねた。
「あ…もっと…触って…」
その滑らかな皮膚に指をそっと這わせてみると、ビクビクっと身体が震えて…
鳥肌が立っているのがわかった。
感じてるんだ
そうわかった瞬間、身体が熱くなって…
そのまま指を滑らせて、胸の先端に触れてみた。
「あっ…」
ビクリと身体を震わせると、少し仰け反った。
白い首筋が顕になると、そこに齧り付いた。
「あっ…あぁ…」
翔にいの手が俺の肩を痛いほど掴む。
首筋を舌で舐めあげて、耳たぶを喰むように吸うと、ますます甘い吐息が聞こえた。