第21章 1997年6月17日
相葉ちゃんはにっこり笑って、口に指を当てた。
「風間ぽん、ニノがせっかく寝てるんだから静かにしてよね?」
そう言うと、いたずらっぽく笑った。
あ~…確信した。
なんとなくわかってたけど、こいつら両思いじゃねえか。
そんなこと相葉ちゃんが言うから、ニノは起きてるのに起きられなくなったようで、静かに目を閉じて寝たフリしていた。
耳まで真っ赤にしながらね…笑
深夜の一時半ごろになって、ようやく親たちが到着した。
最後の相葉ちゃんちの親が到着するまで、二宮家と風間家の親も一緒に待ってくれて。
やっと3家族揃ったとこで、こってりと怒られたけど、練習は偉いことだと謎に褒められて、俺達は解散した。
「じゃあね~!おやすみっふたりとも!」
「おやすみ…あいばか」
「オイっ…」
「コラ、和也!」
相葉ちゃんがツッコミを入れる前に、ニノのお父さんがニノの頭をべちっと叩いた。
「先輩にそんな失礼なこと言うもんじゃない」
「何いってんの父さん!この人事務所入ったの俺より後だよ!?」
なにやら二宮家で勃発していたが、いい加減眠くなっていたので、俺はスルーさせてもらうことにした。
「おやすみなさーい、相葉ちゃんとニノ」
帰りの車中で、ニノのくるくる変わる表情を思い出しては、一人で吹き出しそうになってしまって。
これ以上怒られないよう、寝たふりするのが大変だった。
ハッピーバースデー、俺と同じ日に生まれたニノ
もうすぐ、君の片思いは成就するだろう
なんだかちょっと淋しい気もするけど
精一杯応援するからさ
今日からの君の一年が
どうかしあわせで
いっぱいでありますように
【1997年6月17日 END】