• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第6章 夏の終わり



「あっつい…」

庭先に放り出したホースから、まだチョロチョロと水が出てる。

「今年もあっついなあ…和也…」

縁側で伸びてる俺に、翔にいがお茶を持ってきてくれた。

「水遣りありがとな。ちょっと休めよ」
「おん…ありがと」

麦茶を飲みながら、庭を眺め渡した。
そんなにでっかい庭じゃないけど、やっぱり田舎の家だから結構な広さがある。

雨が降らないもんだから、庭木なんかにも全部水を遣らなきゃいけなくて…

田舎の家だから、こんもり庭木やらなにやらがあって…
水やりするだけでも死にそうだった。

お盆を越えて、セミの鳴き声がうるさい。
お盆前まではちらほらといった感じだったらしいが、こんな暑いのに一斉に羽化したのか、ミンミンやらツクツクやらうるさくてしょうがない。

首に掛けたタオルで汗を拭いてるけど、間に合わない。

「俺も水浴びちゃおうかな…」
「お。行水しちゃう?」

翔にいが後ろの座敷の片付けをしながら、笑う。

「タライでも用意してやろうか?」
「やだよ…」

なんでこんな庭先で裸にならなきゃならないんだ。
小学生かよ…

「大学生にもなって、水遊びなんかできねーか」

カラカラと笑いながら、座布団を片付けてる。

「おまえ、いつ帰るんだよ」
「えー…決めてない…」
「ふうん…まあ、別に部屋余ってるし。居たいだけいてもいいけどさ…明日から俺も仕事始まるし、ひとりになるぞ?いいの?」

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp