第21章 1997年6月17日

「おーおー。言ったな？おまえ、そのオッシャイとかなんとかわかんのかよ！？」
「えっ、もしかして相葉さん、年上なのにわかんないの！？」
「ちっ…ちげーよ！わかるわ！こんくらい！」
「じゃあ、どういう意味かわかるよねえ？」
「わ…わかるよ…？」
「じゃあどういう意味か言ってよ」

こんなとき、ニノの顔はいきいきと輝きだす。
いや、なにも相葉ちゃんと話してるからじゃなく。

他人にいぢわるをするのが、だいすきなんだ。

「…性格悪…」
「は？なんか言った？風間」

相葉ちゃんにかまけてたらいいのに、なんで俺の言う事まで拾うかね。
でもニノのムキになった顔をみたら、ちょっとおもしろくなってしまった。

「…地獄耳…」
「は？絶対、俺の悪口言ったよね？」
「おいっニノっ俺のオッシャイはどこ行ったんだよ！？」
「知らないわよ！だいたいオッシャイはどこにも行ってないわい！」
「ええっ！？…………つか、オッシャイって何者？」

最後にガクーっと力の抜けることを相葉ちゃんが言うから、オッシャイ論争はそれで終わった。

「つか、『おっしゃいました』がわからないって、相当じゃんねえ、風間？」



…まあ、その相当な男が…
ニノが好きな、相葉雅紀って男なわけだけどもね。