第18章 こちら、アラシノ引越センター!
☆O☆
ニノが楽しそうに俺の前を歩いている。
あの時、病院に担ぎ込まれて坊主にされたから、まだ髪の毛は短くて雛鳥みたいだ。
「もうあれから二ヶ月以上経つんだな…」
「ん?」
振り返ったニノの顔には、全く屈託がなく。
あの頃の、オドオドしてるニノは一体何処に行ってしまったのかというくらい、別人に見える。
「そりゃもう、俺の髪の毛も生えてきますよ」
「似合ってたけどな。あの坊主」
「やめてよね。ふふふ…」
嫌がってるけど、本当には嫌がっておらず。
ふわふわと笑って、俺の言うことを往なしてしまう。
「…なんか、おとなになっちゃったね…?」
「え?もともと俺、オトナですけど?」
「む?」
「ほら、ズル剥けよ?見る?」
「…見…」
「あ、児島さーん!」
ニノはとっとと走って行ってしまった。
「おい…おまえなあ…」
そう呟く声は届かない。
背中に羽が生えてるみたいに、飛んで行ってしまう。
そんなニノの後ろ姿を、眩しく感じてしまう。
「若いなあ…ほんと、若い…」
俺はおっさんだから…なんだか若者が眩しいぜ…!
「って、アンタもそんな年じゃないでしょ」
「そーそ。まだ蒙古斑取れてないだろ?」
べちっと後ろから叩かれた。
「ああん!?蒙古斑なんか…」
ド突き返そうと思って振り向いたら、居たのは…
「アラ…西川さんに武田さん…」