第18章 こちら、アラシノ引越センター!
「大野くん!おいで」
「は、はいっ…」
武蔵さんが事務所に駆け戻っていくのに付いていった。
「車出すから、彼は電車通勤だったね?」
「はい…そう聞いています!」
武蔵さんは事務所に戻ると、営業カウンターに身を乗り出してオフィスの奥にいる徳川さんを呼んだ。
同時に無線機の側にいる北島さんに営業車のキーを持ってくるように指示した。
「潤、すまん。奴らもう動いたわ」
「えっ…!?」
「忘年会で流した噂、よっぽど効いたらしい。大野くんと二宮くんのロッカーに生きた子猫が入ってた」
「おい…子猫って…」
「あと、二宮くんがまだ出社してないそうだ」
徳川さんの顔が一瞬で憤怒の表情に変わった。
そして後ろを振り返ると、営業車のキーを持ったまま立ち尽くしている北島さんに手招きした。
「北島、わりいけど藤島とその取り巻き連中を、休憩室で確保してくれる?西川さんと武田さんが手伝ってくれるから」
「わかりました!」
「俺は本部長に連絡したら、ロッカー室行くから…翔と大野くんは二宮くん探して貰えるかな?」
「わかった!」
もう声も出すことができず、俺はブンブンと顔を縦に降ることしかできなかった。