第18章 こちら、アラシノ引越センター!
「ねえ、おーちゃん。ここ誰のロッカーかわかる?」
稲葉さんがロッカーに張り付いたまま聞いてきた。
「はい…そこは二宮くんのロッカーです…」
どうして…
どうしてこんなこと…
「ああ~…なるほどなあ…」
張り付いたまま稲葉さんは一人で納得してしまった。
「おーちゃん」
「はい」
「気にすんな」
ええ…?
稲葉さんさんまで武蔵さんと同じこと言う…
「これは俺たちのせいだから、ほんとふたりは気にしないで。ニノちゃんにもそう言っておいて?」
そんなこと言われても。
なんでこんなことされるのか、理由もわからないで納得できるかって…
「あれ…?」
そういえば、ニノまだ来てない…?
いつも俺よりも早く出社してくるのに。
その時、ロッカー室のドアが開いた。
「おまたせ!」
武蔵さんがジャラジャラとキーのついた束を持って入ってきた。
「あ、あの!武蔵さんっ…」
びっくりしたように武蔵さんは足を止めた。
「どうした?」
「二宮くんっ…来てないんです」
「え?」
「来てないんです。いつも俺より早く来るのに!」
ビリっとロッカー室に、緊張が走った。
「雅紀。それで鍵開けて中、確認しておいて」
そういうと武蔵さんは鍵束を稲葉さんに投げた。
「わかった!」