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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第18章 こちら、アラシノ引越センター!


事務所に入っていく武田さんの背中を見送りながら、缶コーヒーの蓋を開けた。
休憩室の外にある自販機の横で、なんとなく中に入る気にもなれなくて。

大野さんも、俺の隣でしゃがみこんで缶コーヒーを飲んでる。

「…大丈夫ですかね…?」
「ん…武田さんは信用できると思う…」
「うん…」

思わず敬語を忘れて返事をしてしまって、ちょっと焦った。
大野さんは、ちょっとびっくり顔で俺を仰ぎ見た。

「あ…ごめん、なさい…」
「いや…敬語、いいから…別に…」
「え?」
「俺たち、同期みたいなもんだろ?」

そう言うと、少し笑って俺を見上げた。

…うわ…また笑ってくれた…

「年だって、あんまり違わないし…敬語、やめて欲しい」
「あ…うん…わかっ…た…」

と言っても、フランクに話せるほど大野さんと接していたわけじゃなく。
もともと俺は、敬語がデフォだから…どうしようって思ってしまった。

突然、大野さんは立ち上がって。
俺の持ってる缶に、自分の缶をカツンと当てた。

「…これからも、よろしゅう…」
「よ、よろしゅう…」

俺からも、カツンと缶をぶつけて。
乾杯の儀式。


コーヒーを飲み終わって、ふたりで一緒に休憩室の中に入った。
作業員用の連絡事項とか確認してたら、大野さんが壁に貼ってある忘年会の出欠表を見てた。

何かを確認するように見てたけど、急にポケットからシャチハタを出した。
【出席】の欄にはんこを押した。


…なんか、嬉しかった…




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