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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第18章 こちら、アラシノ引越センター!





「朝礼っ!」

朝っぱらから西川班長のでかい声が響く。
陰のあだ名は、声量おばけ。

駐車場に出ていた作業員が駆け足で集合して整列する。

まるで軍隊のようだ。

「おはようございます!社訓!」

西川班長の号令で、社訓を言わされる。
なんのこっちゃよくわからない、社長の戯言だ。

それが終わると、ラジオ体操。
これは法律で決まっているので、必ずやらねばならない儀式だそうだ。

無事に終わったら、各作業のチームに分かれてミーティング。
今日乗り込む予定のトラックの前に集合だ。


ここは、アラシノ引越センターの東京西支社。
業界大手の、引っ越し専門の会社だ。

「おはよー、揃ったか?」

俺の今日の作業の現場リーダーは児島さんだった。
この人は、バカなんだけど優しいから好きだ。

「はい。揃ってます」
「はいよー!」

作業帽を頭に載せるように被って、バインダーに挟まってる今日の作業確認書を覗き込んでる。
今日は、社員でリーダーの児島さんと、バイトの俺と、もうひとりバイトの3人現場だ。

おそろいの黒キャップに、黒いTシャツ。
その上には厚手の黒いジャンパー。
作業ズボンは派手なオレンジ色だ。
なんと靴下やデッキシューズまで、引越センターのオリジナル。
全部にマスコットキャラクターが印刷されていて、幼児には好評のようだ。

「今日は、世田谷から港区…1DKだ」

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