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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第15章 BOY【M side】EP.8


「え…?金…?」
「ああ…うちのカイシャのもんに、たんまり借金してくれてんだわ…今日は特別に俺が回収しにきてやったのに、一文無しと来てんじゃねえか…」

また一発、丸まって震えてるあいつの脇腹を蹴り上げた。

「ひいぃっ…」

変な声を上げて、また丸まった。

「で。代わりに兄ちゃんが払うと、白石が言ってるんだがな。本当に兄ちゃん、払う気あんのか?」
「俺が…?」
「頼むよおっ…潤っ…この人達の言うとおりにしてくれよぉっ…」
「やかましいな…オイ…そのバカ、連れてけ」

コートを羽織った男は、黒スーツに命令した。

黒スーツは布団の上に丸まってるアイツを乱暴に立ち上がらせて、ケツを蹴りながらどこかに連れて行った。

玄関の閉まる音が聞こえると、部屋の中はシンとした。

「…なあ?兄ちゃん…ジュンだっけ…?」

にたりと笑うと、畳に座ってる俺の目の高さまで体を折り曲げた。

ヤクザなんて…こんなに近くで見るのは初めてだった。
たまに客引きしてるときに、追っ払われたりするけど…

「ぴったりのいい仕事があるからよ…」

スーツの懐から封筒を出すと、ボールペンを出してきた。

「さ、サイン…してもらおうか…」



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