第2章 今日の猫来井さん③
「おはようございます。猫宮さん」
「怒ってる…?」
「怒っておりません。お昼ご飯召し上がりますか?」
「うん…」
お腹が減っていたのか、がつがつとお昼を食べる猫宮さんは、子供のようでございました。
お食事の最中、マンションの呼び鈴が鳴りました。
「はあい!どちらさまですか?」
「あっ!俺、猫葉!」
「おれ!猫野!」
「あらあら…今日はお珍しい…」
ガチャっと玄関ドアを開けますと、おふたりはなだれ込むように部屋に上がっていらっしゃいました。
「猫宮~!福岡県産のいいのが手に入ったよ!」
「またパー(またたびパーティー)しようぜ!」
呆然とする私と猫宮さんを、おふたりはにやにやと見つめます。
「…ちょうどいいや…猫来井さんも居るし…」
猫葉さんは上着のポケットから、小さな袋を取り出してニヤリと笑います。
「猫潤も呼んじゃう~?」
猫野さんはスマホを手に取ると、嬉々として電話をはじめました。
じりじりと私と猫宮さんは、逃げるべく玄関の方へ…
「あっ…」
「ふたりともどこいくのさっ!?」
もおうっ…もうっ…
仕事させてぇぇぇぇぇぇ…
【おわり】