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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第14章 BOY【A side】EP.7


「え…?人探しっすか…?」

藤ヶ谷くんは、端正な顔を曇らせた。

「無理っすよ。ヒュアキントスに居た子ならまだしも、こんな子居たことないよ?」

トントンと、ブルーレイの薄いパッケージを指で弾いた。

「直接ココに問い合わせりゃいいじゃないですか」
「だめなんだよ。こっから先に行かないと…」
「先って…」

分厚く膨れてる封筒を事務机の上に置くと、藤ヶ谷くんは真顔になった。
チラリと事務所から待機部屋に続くドアの方を見てから、俺の顔をまじまじと見た。

「なんで…?こんな金あるなら、探偵にでも頼めばいいじゃないっすか」
「それがね、探偵使ったんだよ」
「は?なら、なんで…」
「どうもバックにいるの…お宅のボスと同業みたいなんだよね」
「…はあ…」

目を細めると、一重の目が埋まったみたいに見えなくなる。

「どうにもできないシガラミで、足抜けできないみたいなんだよ。その子」
「じゃあ…人探しじゃないじゃないっすか…要は、うちのボスに相手さんにナシ(話)つけろってことでしょ?」
「まあ、そうだね。率直に言えば、お宅のボスにその子の身柄引き受けてきて欲しいんだ」
「なんで…」
「お宅のボスのほうが、貫目(ヤクザとしてのランク)が上だったのよ。調べたら」

にっこり笑って言うと、藤ヶ谷くんの顔は苦虫を噛み潰したようになった。

「…まったく…相葉さんには敵わないな…」

そう言うと、封筒を受け取り金庫に仕舞った。

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