第10章 もっと♡にゃんこわんこ
にやっとまつもとさんは笑った。
「じゃあ、今度相葉さんも掘らせてね?」
「ぢだから無理」
ふふふってふたりで笑ってる。
ぼくのおなかはぎゅううううって言ってる。
「にゃううううぅぅん…」
「うるさい!さとしっ!そんな声出したってだめだからなっ!?」
「おなかへったあぁぁぁ…」
がたんってあいばせんせいが立ち上がった。
「じゃー俺、行くわ!」
「おう!雅紀、行ってら!」
翔はかずのおしりペチペチしながら、あいばせんせいに顔を向けた。
「…ふふ…いいね…」
「なにが?」
「そうやって…いってらっしゃいって言ってくれる人がいるの…いいね…」
「雅紀…」
がたんってまつもとさんが立ち上がった。
「いってらっしゃい。相葉さん」
「…い、いってらっしゃい、まーくぅん…」
「いってらっしゃいなの!!あいばせんせい!」
にっこりあいばせんせいは笑った。
「いってきまーす!」
元気よく、あいばんせんせいは玄関を出ていった。
それから一年。
ぼくたちと、相葉先生と松本さんは同じ家で暮らすことになった。
家族になったんだって!
ぼくとかずは、相変わらず昼間はふたりきりだけど…
夜になると、みんなで家族なんだ。
夜寝るときは…ふふふ…
そのお話は、また今度ね?
「かずぅ…今度のお家、広いねえ…」
「ほんとだねえ…」
おひさまの当たる窓辺で、ぼくとかずはねんねしてる。
ここには柔らかいマットが敷いてあって、寝心地が良いんだ。
「のびーっていっぱいできるぅ…」
「ふふふ…のびーってしていいよ?」
「にゃあ…」
「きゅうん…」
ぼくとかずはそっと手を握りあった。
「ふにゃぁぁぁぁ~…」
「ふふ…でっかいおくちね。さとし…」
「にゃむぃ…」
「じゃ、ねんねしよっか…」
「むにゃぁ…」
【おわり】