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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第8章 遠別


隙間風の音が、いよいよ激しくなってきた。

外は、猛吹雪。
予報では、氷点下10度を下回ると言っていた。

すべてが凍る。
すべてが時を止める。

そんな冬は初めてだった。

「窓…凍ってる…」

布団の中から見上げていた君が、ぽつりと呟いた。
俺も窓に目を向けると、カーテンの隙間からほんの少し見える窓。
二重サッシになってる外側の窓の表面が真っ白になっていた。

「ほんとだ…」
「雨戸、引いておけばよかったね…」
「そうだね…忘れてた…」

今日は…早い時間から、布団に入ってしまって…
こんな時間まで、君の身体に熱中してしまった。

だから…晩飯だって食べてないし、風呂にだって入ってない。

真っ暗な部屋の中央に、ぽつんと敷いた布団。
部屋の中には、石油ストーブが灯ってて。
オレンジ色の鈍い光が、君の横顔を照らしている。

不意に、気だるい表情を俺に向けて…
君は微笑んだ。

「ねえ…もう一回、しよっか…」
「うん…」

もう、二回…お互いに果てているのに…
この年になると、もうお互いに厳しいはずなのに。

君はまだ求めてくる。

「ちゃんと勃つかなあ…」
「大丈夫だよ…まだ俺より若いんだから…」

クスクス笑いながら、君は布団に潜り込んだ。

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