第1章 仄暗い奈落の底から -sequel -
「智っ…」
押さえつけるように暴れる俺に覆いかぶさると、智は強引に俺の中に入ってきた。
「あっ…ああ…」
なんにもつけてないから、引っかかって痛い。
痛いのに、脳が悦んでて。
痛いくらい、俺のアソコは張り詰めてて、射精したくてたまらなかった。
求められてる
智に、求められてるのが嬉しかった
愛されてるんだって、わかるから
痛みも何もかも、智から貰うもの全てが甘美な麻薬
カウンターの端を掴んでないと、足から力が抜けそうなほど感じていた
もしも…翔ちゃんがこれを、望んでいたとしたら…
一緒に、快楽の奈落の底に…堕ちてくれる…?
「和也…」
「ん…?」
嵐のようなセックスが終わると、俺たちはカウンターに折り重なったまま、突っ伏した。
こんなに感じて乱れたこと、ない。
服も殆ど着たまま、昼間は子どもたちが集うこんな場所で…
俺たちは淫らに、翔ちゃんを想って果てた。
背徳感で、頭がおかしくなるほど気持ちよかった。
「愛してる…」
「うん…俺も…」
カウンターに突っ伏したまま、智は俺の手を握った。
「…奪おう…」
ああ…
智…
決意を込めた、硬い声
「うん…わかった…」
握られた手の指を絡めて、誘惑するように智を見上げた。
「ねえ、もっと…欲しい…」
「うん…」
見上げた智の目は、仄暗かった───
手に入れよう
俺たちの翔ちゃんを、この手に…
奈落の底に引きずり落として、快楽で雁字搦めにして…
逃さない
逃してなんか、やらない
【END】