第7章 大野の紋章～考古学者大野智の憂鬱～

なんか、答えを求めてるみたいだから、適当に頷いておいた。

「う…うん…？」

どおっという凄い音が聞こえたかと思うと、人垣が一斉に俺に向かってひれ伏した。

「おおお…！神が現れた！」
「ナイルの姫じゃ！心優しい、ナイルの姫！」
「我々の救いの女神が現れたぞ…！」

ええ～～～～！？
なんのことなの！？

「ま、待って…ちょっと、やめて…」

慌てて立ち上がったけども、誰もひれ伏すのをやめてくれない。
ジュンフィスとサクミル王子以外、みんなひれ伏してる。

「ちょっ…マサスもマツーオカ将軍もやめてっ！」

みんなの肩を押して、顔をあげさせようとするけども全然だめで。

「お願いっ…ジュンフィス…」
「ああんっ…！？」
「もー！いいでしょっ！やめさせて！王様なんでしょっ！？」
「俺に命令するのかっ！？」
「違う！！お願いしてるの！！ジュンフィスなら、できるでしょう！？」
「お、お願いなどと…！俺は王だぞっ！」
「王は、民の願いを聞くものでしょう！？」

言ってから、そんなわけねえと思ったけどもう遅かった。
この時代の王にそんな思想あるわけねえしっ…
何いってんだ俺！

「そんなもの聞くかっ！」

やっぱそうだよねえ～！