第3章 デートをしよう
ユーリが魔法をかけられてから十日が経過した
相変わらず昼に女になり、朝には男に戻っている
それも慣れてしまった今日この頃
魔女は国外に逃亡した可能性があり、捕らえるのは困難だという報告を受けていた
その報告に微妙な反応をしたのはユーリとシヴァだった
あれから毎晩、ユーリはシヴァに抱かれ続けている
翌日の体力が持たないからと二回まででお願いしているのだが、その分時間が長くなり、ユーリは毎日腰を痛めていた
それでも幸せだと感じているからこそ、魔女の逃亡にほっと一安心している自分がいた
もし魔女が捕まり、ユーリにかけられた魔法を解除できたとしたら…
はたして以前のようにシヴァに接する事ができるだろうか
否…
この十日間でユーリの気持ちにも変化があった
男の時はシヴァを見ても憧れや尊敬の感情が湧いてくるだけだったが、今は違う
男の時でもシヴァを見るだけでドキドキするようになっていた
ぽん、と頭を撫でられるだけで胸が高鳴り、もっと触って欲しいと思うようになってしまったのだ
これも魔法の影響なのかもしれない
しかし、苦しくも、心地よいこの感情をユーリは手放したく無かった
だからこそ、魔女が見つからないことに安心しているのだ