第8章 これからの二人
それから三年後―――
シヴァとユーリは城の近くに居を構えていた
貴族の住宅が並ぶ中にそれはあり、とても大きい邸だった
当初、ユーリはこんなに大きい家で無くていいと言ったのだが、シヴァはすぐに大家族になるからと言って今の状態になっていた
しかし、今となってはシヴァの言ったとおりである
邸からは可愛らしい男の子の声が聞こえた
そしてそれを追いかける女の子の声
侍女たちに見守られながら二人は元気いっぱいに走り回っている
もちろん、シヴァとユーリもそんな可愛い我が子を二階から見下ろしていた
「ふふっ。なんだか元気すぎね」
「子供なんてあんなものだろ。あと数年したら走り回ることすら許されなくなる」
貴族とは面倒だとシヴァが呟く
「でも、きっとあの子も騎士になりたいって言い出しますよ。そしたらシヴァ様みたいに思いっきり剣を振り回せます」
「そうか…それならストレスの捌け口があっていいが」
「…シヴァ様は貴族でいることにストレスを感じてたんですか」
ユーリは驚いたように目を見開く
昔はあまり喜怒哀楽を見せてくれなかった記憶しかない
「最初はな。だが、お前を引き取る余裕があって、家には何度も感謝したさ」
「シヴァ様…」
そっと唇が重なり、何度も角度を変える