• テキストサイズ

僕は女の子になりたい【R18】

第7章 奇跡はすぐに



「大丈夫だ、ユーリ」


今度はそっと優しく抱きしめられる

ぴたりとくっついた二人の体

服が間にあるというのに、温もりを分け合うような、不思議な感覚に陥った


「今は余計な事は考えなくていい」

「シヴァ…様…」

「お前が無事ならそれでいい。これからの事は二人でゆっくり考えよう」

「……っ、シヴァ様…」


不意に目頭が熱くなる

それは直ぐに涙となって溢れていた


「泣くな、ユーリ。お前は俺に愛されていればいい。これから先もずっと、それは永遠に変わる事はない」

「はい…はい、シヴァ様。私もシヴァ様を愛してます…」


たくましい背中に手を回し、ぎゅっと力を込める

こんなにも簡単に不安や混乱を吹き飛ばしてくれるなんて…


ユーリは涙を流し、シヴァはユーリを抱きしめたまま、その涙が止まるまでずっと抱きしめてくれていた


あたたかい……

それに、とても力強い


シヴァの側にいるだけで気持ちが軽くなる

それはもちろん、ユーリが欲しい言葉をシヴァがちゃんとくれるからだろう


この月の障りは奇跡か、それともアヌー女神の加護か、それとも魔女のいたずらか――


理由はともかく、ユーリは大好きな人の腕の中、そっと目を閉じていた

/ 239ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp