第11章 新メンバーは可愛い子がいい。
えっ、なに?
謎のまま私は沖田隊長を見つめる。
沖田隊長が面倒くさそうに木刀を片手に。
そしてもうひとつの木刀を私に。
『っ…へ!?』
沖田「1本勝負でさぁ」
沖田隊長が笑った。
いやいやいや、絶対負けるじゃん?
私が剣術弱いの知ってるじゃん?
相手真選組一じゃん?
でも私は木刀を構える。
『…お願いします。』
怖いけど頑張る。
私は、強くなりたい。
そして救いたい。
たくさんの人を。
沖田「はじめっ!!!」
沖田隊長の合図で私たちの木刀は重なり合う。
カンッ!!!!カンッ!!!!
という音を奏でながら。
うぅ…やっぱり強い……。
沖田隊長は隙がない。
かつ、素早い。
私も体が沖田隊長より全然小さいから隙を見て、うとうと思ってたのに……
『ふぅっ……はっ…!!』
沖田「まだまだでさぁっ!!!」
『ぐっ……』
結局あっさり負けてしまった。
『ぐわぁぁぁぁあっ!!強いっ強いよォ』
沖田「まぁ、俺には叶わないってことか。」
『強く、強くなりたいっ!!!!!』
だるいっ、まじ悔しい。
むっほぉぉぉおおおおおおおお←
意地悪な笑みで私の顔を除く。
沖田「…まぁ、お前は拳銃の実力が飛び抜けてるからでさ」
『…でも、剣術で沖田隊長を倒せないのは悔しいです。』
沖田「……」
沖田隊長は私の頭に手を置く。
『……たい、ちょ?』
やっぱり、私はおかしい。
前までこんな恥ずかしい気持ちなんかないのに。
胸がキュッと苦しくなって目が合わせなくて
喋るのが精一杯で、
立つのもしんどいくらいに。
沖田「いいか、華時。」
『…はい。』
沖田隊長が珍しく真剣な目で私を見る。
沖田「俺みたいに、強いだけじゃダメなんでさぁ」
沖田隊長が近くによる。
胸が高鳴る。
沖田「戦略法も、相手の弱点も、全てを兼ねてが土方さんみたいになるんでさぁ。」
『でもっ…そんなの、どうしたら』
沖田「マネをしろ。」
『……まね?』
沖田「あぁ、土方さんがどう動いてるのか、どう戦っているのか。」
『……』
沖田「華時は完全に実力は上がっている。それはいい事だ、だけど………」
沖田隊長は道場を出ようとする。
沖田「その強さを間違えるな」
そう言って私を取り残した。