第10章 本当に好きな人。【求婚篇④】
『攘夷志士!覚悟ぉぉぉおおお!!!』
私はゆーくんに斬りかかった。
雄心「……残念だなぁ。」
ゆーくんはぼそりと呟いてから私を見た。
雄心「淡くか弱く散れ!!!真選組一番隊副隊長!!!」
カーーーンッ!!!
刀と刀が擦れる音が戦場へ響く。
あたりはもう…真夜中であった。
だっ、と私は飛んだ。
強く、強く地面を蹴る。戦場が一瞬、1秒ほど全てが見える。
私はその1秒で全てが見える。
倒れている、沖田隊長を抱えて必死に逃げる山崎さん。…応援に来てくれたんだ。
必死に大人数の攘夷志士と戦う近藤さん。…腕から血が真っ赤に染まっている。
戦わなければならない。
私はゆーくんに向かって飛びかかる。
『はぁぁぁぁぁあ!!!!!』
雄心「!?」
私を見逃したゆーくんはあたりをキョロキョロ見る。
今がチャンスだ!!!!
私は刀を握る手を強く強く握りしめる。
私を見つけたのか、ゆーくんはこちらを見てにやりと笑った。
これで全てが終わる。
そんなの全然分からないけど、なぜか察した。
そして………
『覚悟ぉぉぉおおお!!!』
バァァァァァアアアアアアンッ!!!!!!!
──────────