第8章 恋とは一体。【求婚篇③】
歩美side
なぜ、殺せない。
私は、真選組のはず。
攘夷志士がいたら排除するって言われたでしょ?
しかも、一般民も巻き込んでるのよ?
はやく排除しなきゃいけない。
なのに、刺せない。
撃てない。
殺せない。
なぜ?
今ならいけるでしょ?
それは……
もしかしたら…
ゆーくんの言う通りなのかも知れない…。
私はゆーくんが好きだった…?
確かにゆーくんは大切だ。
大切な幼なじみだ。
だけど今は真選組の敵。
倒さなければならない。
そうでしょ?
だって私は真選組なんだから。
雄心「はやく殺せよ。」
『……』
沖田「ったく、うじうじしててみててイラつきやす。」
『え!?』
いつもの声が聞こえた。
そこには、刀を赤く染めた沖田隊長がいた。
『沖田…隊長!』
沖田「はやくさっさと殺しなせぇ、今の俺ならさらに殺意がわいてくるでさぁ。」
『いやなんで!?』
沖田隊長のSっぷりにすかさず突っ込みを入れる。
雄心「あぁ、あの時の。沖田って言うんだ。」
沖田「軽々しく名前を呼ぶんじゃねぇ、チャラ男。」
雄心「チャラ男だなんて、失礼だなぁ、俺はただたんにしっかりと告白しただけだよ?まだ告白も出来てないヘタレなんかに言われたくないね。」
沖田「だまれ。俺はゆっくりと近づいていくんでぃ。」
は?ヘタレ?告白?チャラ男?
なんの話!?
『ちょ、ちょっと私話しについていけないんですけど!?いつ、仲良くなったのよ!』
沖田「はぁ?おめぇもいただろ。」
雄心「俺と沖田と歩美の問題だよ。」
沖田「馴れ馴れしく名前を呼ぶんじゃねぇ。」
いや、わからないんですけど!?
私も入ってるの?
『もう!わけわかんない!ちゃんと説明して!』
頭ごちゃごちゃですっ!と私はつけたした。
すると信じられないような顔で見るゆーくんと
あきれた顔で見る沖田隊長。
『え…?』
沖田「にぶすぎでさぁ」
雄心「ほんとそれ。」
『はっ!?はっ!?』
にぶい!?何が?どこが?
沖田「とりあえず、華時は下がってな。」
『えっ!?』
雄心「じゃあ、死んだほうが負けで。」
雄心は刀を取り出した。
そして、沖田隊長も刀を構える。
いや、どーゆ状況これ!?