第7章 大切な人が敵だとしたら【求婚篇②】
歩美side
土方「華時?」
土方さんに名前を呼ばれる。
『は、はい!?どうしましたか!?』
土方「いや、つらそうな顔がみえたからどうしたかと思っただけだ。」
『ええ~心配してくれたんですか~?土方さん優男~』
土方「殺すぞ」
『ちょっとやめて下さいよ、』
土方さんは私の頭をぐしゃりと撫でると(いや、撫でるというより潰してね?)刀を腰にさして隊服を着る。
『…これからですか?』
土方「あたりめぇだろ、目当てのもんが明日には逃げてるかもしれねぇんだぞ。」
『…私も行きたいです。』
私は土方さんを見つめた。
許してくれるだろうか。
いつも私は置いていかれる。
なぜ?
女の子だから?
わからない。
だけど、私も真選組なんだ。
私はもう一度言おうと口を開いた瞬間土方さんが笑った。
土方「何で残る設定なんだよ。お前もいくぞ、一番隊副隊長さんよ。」
『…!』
土方さんは私に隊服を投げつけた。
でもそれがとても嬉しかった。
『土方さん…ありがとう!』
土方「おうよ。」
土方さんは私の前に必ずいてくれる。
だから、私も走りだしやすい。
私の前には何人だって──
沖田「おい、華時拳銃はいらないのか?」
『沖田隊長…大丈夫です、もう腰に着けてます。』
沖田隊長だって…
近藤「大丈夫だよっ!歩美ちゃんには危険な事はさせないよっ!大丈夫だからね!」
『ゴリ…近藤さん……』
近藤「ちょっと待って!?今ゴリラって言おうとしたよね!?気のせいかな!?」
土方「よし、真選組、」
真選組「はいっ!!!!!」
私も沖田隊長も大きく勢い良く返事をする。
土方「10番隊!!」
はいっ、と原田隊長が返事をする。
そして、次々に9番隊8番隊7番隊と返事をする。
そして、
土方「1番隊!」
沖田「はいっ!!!!」
この時の沖田隊長はいつもと全然違う。
この真剣な沖田隊長が私は好きだ。
土方「今回は隊士が死亡を確認されている、攘夷志士の件だ。」
土方さんはみんなの前でハキハキと言う。
土方「今回は、なぜかひとりずば抜け戦闘力が高いと判断されている。」
これから私達は戦うんだ。