第4章 夜はほんとに危ないから。
『……なんで沖田隊長が来るんですか。』
沖田「俺だってィ、行きたくなかったぜィ。」
私達は姫様の別荘の門の前でたつ。
『……ここで11時間かぁ』
沖田「オメェが言い出しっぺなんだろィ」
『むっ、分かってますよ!眠たくなったら寝ていいですよ!言い出しっぺ私ですし!』
沖田隊長は答えなかった。
そして沈黙が続く。
『……』
沖田「……」
え、これ気まず!?くそほど気まずくない!?
と、とりあえず続きそうな話題を……
『お、沖田隊長は…恋したこととか…ありますか?』
沖田「…あ?」
話題間違ったぁぁぁぁぁぁぁぁあ!
何!?
こんな夜中で外、思春期の男女がこんな話する!?
おかしいでしょ!
こんな事ってある!?
沖田「ありまさァ…」
『えっ…』
沖田「恋…か、わからないけど、この感情は恋なのかな…的な感じはありまさァ」
以外だった。
沖田隊長が惚れる相手…。
一体どんな人何だろう。
『そっか……』
沖田「あ?」
『沖田隊長が惚れる相手なんて…とっても可愛い人だったんですね。』
沖田「だった。じゃねェ。」
『え…』
沖田「可愛いヤツ'だ。'」
か、過去形じゃないぃぃぃいいいい!?
嘘だろぉぉぉおおおおおっ!?
『い、今もですか!?』
沖田「そうでィ、なんか悪いか。」
うそ…なんか……ズキッと来た。
やだな……
沖田隊長みたいなイケメンが、フラれるわけない。
もしもその人と沖田隊長が付き合ったら?
沖田隊長は奪われる……?
もしかしたら私と話してくれなくなるかもしれない。
『誰……なんですか、それは。』
聞くのが怖い。
嫌だ。
でも…聞きたい。
沖田「……言うわけねぇだろィ。」
『ええええ!?』
めっちゃ気になる!
めっちゃ気になるよ!
沖田「なんでィ、妬いてんのですかィ?」
ニヤリと沖田隊長は笑った。
『別に!そんなんじゃありませんよ!』
…でも、沖田隊長に好きな人がいるなんて……
『ほんとに…いるんですか?』
沖田「え?」
『…ほんとに好きな人…いるんですか?』
不安になって聞いてしまう。
沖田隊長。
私はまだ、貴方の隣で笑っていたい。