第3章 惚れた人。2【ミツバ篇part2】
歩美side
『ミツバさんっ!!!!!!ハァッハァッっ……』
沖田「!華時…」
『……沖田隊長…ミツバ…さん……は?』
恐る恐る聞く。
怖い聞きたくない。
沖田「…もう…長くないみてェだ。」
『…え』
パタン……
足に力が抜ける。
『…うそ…でしょ?』
知らなかった。
私は何にも知らなかった。
ミツバさんがそんなに重い病気だったこと、
何にも知らない。
それでも、私は泣きそうになる。
でもなかない。
なぜなら
沖田隊長は泣いてないから。
沖田隊長が一番辛いはずなのに。
我慢をしている。
泣いてはいけない。
絶対に。
沖田隊長よりも先に泣かない。
私はそんなに弱くなんかない。
『………』
近藤さんも、銀さんも沖田隊長もいた。
…土方…さんは?
土方さんがいない。
あぁ。分かってしまった。
ミツバさんの想い人は
土方さんなんだ。
ならいかないといけない。
今、土方さんはひとりで戦っている。
悪魔と。
それをほったらかすなんて私は出来ない。
土方さんを死なせやしない。
ミツバさんと約束したから。
私はガラス越しにミツバさんに言った。
聞こえてないかもしれない。
それでも、いいんだ。
『ミツバさん、私、頑張ります!!!!』
沖田「!?華時!」
銀さんも近藤さんも私を止める声が聞こえた。
だけど、行かないといけない。
ミツバさん。
私は貴方が幸せになってほしいです。
ミツバさんの幸せは
想い人が幸せになること……でしょう?
なら私は全力で護ります。
土方さんを。
ひとりで行かせやしない。
『土方さぁぁぁぁぁぁぁあんっ!!!!』
私は全力で叫んだ。