第4章 短刀救出大作戦!
とても嬉しかった。そして絶対に幸せにして差し上げなければ…と再認識した。
薬研様だっておそらく姉の事を今でも憎んでいるはず…そしてその身内をすんなり受け入れられるのはそんなに居ないだろう。
むしろ、乱様の反応の方が正常なのだ。
乱様は少し俯きながら薬研様に話しかけた
乱「…薬研…また、前みたいに、ならない?」
薬研「あぁ、大丈夫だ…」
乱「…もう、誰も苦しまない?…」
薬研「あぁ、苦しまない…」
乱「薬研っ…」
乱様は薬研様のもとに駆けていき、肩口に顔を埋めた。
ほんの少しの間だけ上げられた顔の綺麗で大きな瞳には今にも溢れそうなほど涙が溜まっていた。
乱「…ゔぅ、薬研…ボク、もう嫌だよ。…あんなに苦しいのは。ボクだけじゃなくて皆も苦しい思いをした。ボクにもっともっと力があれば皆を苦しめずにすんだかもしれない…。短刀は守り刀なのに…何も守れなかった…」
そう言って乱様は薬研様の肩口で思い切り声をあげて泣いた、
薬研「そうだな…苦しかったな…俺も、もう何も守れないのは嫌なんだ。だから、今度は大切なものを守るために…」
そんな2人の傍に蛍丸様と愛染国俊様と太鼓鐘貞宗様以外の短刀が集まってきた、
厚「お前らはちゃんと…守ってたよ。俺の方こそ何も出来なかった…お前らが苦しんでても、何も…」
秋田「そんなことありません!乱兄さんも薬研兄さんも厚兄さんも、僕達のこと守ってくれました!」
五虎退「そ、そうです。むしろ僕の方こそ守ってもらうばっかりで…」
前田「何も守れなかったなんて言わないで下さい、」
平野「少なくとも今、こうやって話せているではないですか、」
そして少し離れて見ていた一期一振様が耐えきれなかったかのように薬研様方の元へ行き固まっている全員を包み込むように抱きしめた、
一期「守れなかったのは私も同じです…薬研達にも、こんなに重くて辛いものを背負わせてしまって…」
薬研「いち兄…」
涙が出てきた、これが兄弟の絆…お互いに支え合い、倒れ合い。それでも尚壊れないもの…
(私と姉の間にもこんな絆があれば良かったのかしら…一体何処で間違えてしまったのでしょう…)
乱「ねぇ、薬研。また…やり直せるかなぁ」