第4章 炎に、堕ちる・・・
審神者『乱ちゃん・・・(ありがとう・・・)審神者(悠月)は幸せね、こんなに可愛い子に想われて。じゃあ審神者(悠月)の魂を救いましょう』
桜草を抜いたあとに現れた勾玉に、審神者と乱は顔を見合わせた
先程までとは明らかに勾玉の変化が違うのだ
透き通るほど美しく透明な勾玉の中心だけが闇のように黒く蠢いているのだ
勾玉からは禍々しい気が溢れ出て来ない
結界の中の勾玉を見つめ審神者は考えこんでしまった
審神者(これって・・・まさか・・・)
隣の乱を見た審神者は、見つめる乱の瞳の奥に蠢いた黒い影を見逃さなかった
審神者『乱ちゃん・・・辛かったのね・・・苦しかったのね・・・だけどもう、大丈夫よ。私が全部護ってあげる・・・少し、眠りましょう・・・』
乱「主さん・・・ボク・・・」
審神者『大丈夫。私の大切な可愛い短刀《神楽(かぐら)》眠りなさい。その心の闇が癒えるまで』
乱を抱きしめ優しく命令する
瞳を閉じた乱は深い眠りへと落ちていった
乱(暖かい・・・ごめん、主さん・・・ごめん、悠月・・・ボクはあの男が許せなかった・・・ボクたちにあんなことを命令したあの男が・・・けど・・・忘れるよ。ボクの審神者はこんなにも暖かいから・・・)
乱の中にあるのは闇・・・
審神者『乱ちゃん・・・』
原因は多分薬研が言っていた最後の審神者
見た目が少女のような乱が一番のお気に入りで、常にそばに置いていたと言っていた
付喪神である乱に、闇に落ちそうな程の殺意を抱かせるその審神者が憎かった