第2章 主に従いなさい
卯月『なに、ここ・・・』
吐気をもよおすほどの瘴気が門の外まで漂ってきている
振り返りば雲ひとつない晴天なのに、見上げた空は今にも土砂降りになりそうなほどどんよりとした灰色一色
こんのすけ「半年前、本丸を造られたあるじさまが亡くなられ、その後を何人かの審神者が引き継がれたのですが・・・そのどなたもがあるじを亡くされた刀剣さまたちのお心を救えず・・・」
卯月『要はその役立たずになった刀剣たちを救えってのが私に下された命令ってことでしょ?』
本丸の状態を説明するこんのすけは今にも泣きそうだ
反対に卯月はニッコリと微笑んではいるが眼は笑ってはいない
卯月は門を思いっきり開け躊躇いなく敷地内へと足を踏み入れた
こんのすけ「さ、審神者さま!」
突然の出来事に慌てたこんのすけが審神者を止めようとするが構わず柏手を2度叩く
パァン!パァン!
淀んでいた瘴気が卯月を中心にどんどん浄化されていく
こんのすけ「!!(これほどの力とは!このお方ならば今度こそ・・・)」
期待に満ちた瞳を輝かせたこんのすけだったが、こんのすけは未だ知らなかった
この少女が抱えた闇を