第11章 闇 終
猿飛は、キセルを蒸し、声を出す。
「おい、出てこい」
すると数名の獣面をつけた護衛暗部が
カカシの背後に立つ。
「い班は、サクモを遺体安置所へ連れて行くのじゃ。 一応死因を確認するが、カカシ、よいな?」
「はい」
自宅で亡くなった場合、いかなる場合があろうとも、死亡解剖を行う。カカシも知っていたし、返事をしたが、気持ちは沈んだ。
「ろ班はフジと嫁を捕まえて尋問するのじゃ。 逃がすな、すぐいけ!!」
「「御意」」
暗部が消えたあと、
カカシは心が落ちつかない。
「三代目……ヤナギは……どうなりますか?」
「母親の悪事を把握していたなら、罪に問われる可能性はあるが……分からん。 雪ノ里に文を出し、事実確認を行うつもりじゃ……」
目を伏せて猿飛は言う。
「カカシ、あとは、こちらで対応する。 だからカカシ……お前は少し休め。明日の夜か、明後日に式を行う。また連絡をする。喪主はお前じゃ、よいな?」
三代目は渋顔を
作り声を出す。
「もうよい、家に帰れ。サクモのそばにいてやれ」
カカシを見ないで窓を見つめ、
背中を向けていた。
「御意。……失礼します」
会釈をして、
ドアを閉めたときだった。
火影室から、サクモの名を呼び、
嗚咽を漏らす声が、カカシの耳に届いた。