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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第11章 闇 終




「三代目……、お話があります」


そう言って、カカシはうつむく。


深く深く心が沈んでいく。

息苦しい。言葉が詰まり うまく出てこない。

一言だけで、心はざわついた。




"だいじょうぶ、そばにいるよ"




花奏は、
火影室を出た廊下で待っている。

声は外からでも聞こえるだろう。

「ここからは一人で大丈夫だ」
と伝えた。




花奏の気配を感じる。
そばにいる。


だいじょうぶ。

オレは
ひとりじゃない。



カカシは、
もう一度大きく深呼吸をして、
ゆっくりと顔を上げる。


大きな窓に薄い金色に輝く
満月がぼんやりと浮かぶ。


ふと、月と目が合う。


見てるかな、なんて思った。
頑張るよ、父さん。


「三代目」



そう言うカカシの血走る目は、
まっすぐ猿飛を見つめる。


花奏のおかげだ。
冷静さを取り戻す事が出来ている。

ありがとうな。


静かに、ゆっくり
絞り出すように声を出した。


「至急ご報告があります。 はたけサクモ、そして、ヤナギの父と母についても、お話しがあります」



「……なんじゃと?」



連なる名を聞いた瞬間、
三代目、猿飛は眉をひそめて、
次の言葉を待つ。

目は穏やかではなく、
凝然とカカシを見ていた。

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