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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第11章 闇 終


ルールや掟を取り、犯人を叩き出すか、それとも、仲間を思い 黙るか。


三代目に伝えれば、間違いなく、禁固刑……多大な、被害や損失を考えれば、極刑もあり得た。数十人の仲間は、流れた情報のせいで命を落とし、被害総額は、里の総資産の3分の1が失われていた。

サクモの、冷静な判断をする目が濁る。ダメだ。ぜったい報告しなくてはいけない。


「わかった……。3日間待つ。それまでにすべてをまとめて、里を離れろ。ヤナギを連れて行くか、置いて行くかは、ふたりで決めてくれ」

サクモは反対の言葉を口にした。即座に後悔した。甘い判断だった。

家族のため。頼む。子どものため。

サクモは、隊長として、やってはいけない判断を下した。


サクモは、三代目には、任務失敗を伝えた。なにも情報を得られなかったと。三代目である猿飛は、致し方ない。と肩を落とした。

その後、忍全員の給与は、半減する。財政難に陥った。

サクモのせいだ。アイツがちゃんと調べれば俺たちの給与は減らなかったのに。アイツがネコババしたんじゃねーのか。

巷で密かに、じわじわと噂は広まり、サクモが失敗したせいで、多大な損失が生まれた。嘘の噂さえ飛び交うようになった。サクモはなにも言い返さず、任務についた。

3日で出ろと伝えた。なのにフジは、里を出ていかない。
サクモは、何度も聞いた。相手は言葉を濁すだけであった。

ついには、助けたフジさえ、噂話に乗っかり、サクモを責めた。

あとから、すまない、悪かった。ああ言わないと、アイツら納得しないだろ。と軽くフジが言う。

サクモは、そこから、日に日に、食事量が減り、気力をなくしていった。




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