第11章 闇 終
【霧隠れの里に、
木ノ葉隠れ里の情報が漏れている】
匿名で文が届き、三代目である猿飛ヒルゼンは、驚愕した。
わなわなと 指が震えた。
キセルを静かに置き、文を見た。
深呼吸も同時にした。
まさかな。三代目である猿飛は、どこか、信じたくなかった。
匿名で書かれた文書に、一致した事実があった。それどころか、ほとんど事実だった。
情報が流出している。流した者がいる。だれか。誰かがやった。
忍の術、作戦。人数。行動。ここ数ヶ月間、まるですべてを手に取るように、霧隠れの里に やられていた。
特にこの数ヶ月間は、通常の何倍もの死者を出した。出してしまっていた。
戦時のため、人手が足らぬのに、死者が出てしまっていたのだ。三代目である猿飛への責任追求は、日に日に強く増していた。
もしや、すべてが筒抜けだったのじゃろうか……。
猿飛ヒルゼンは、即座にサクモ、ヤナギの父であるフジ、そして2名を呼びつけ、霧隠れの里へ潜入捜査を命じた。
「何ヶ月かかろうとも構わん。必ずネズミを叩き出せ」
「御意!」
フォーマンセルを組んだ4人は、しらみつぶし探し調べた。なかなか尻尾が出なかった。数ヶ月間たっても、霧隠れの里から、木ノ葉隠れ里と繋がる情報は、なにひとつ得られなかった。
サクモは焦った。このまま帰れば、多大な損失だ。情報と、金さえも、霧隠れの里に 流れてしまっていた。
その日、大名殿で、大名同士がコソコソと話をしていた。ずっと追跡をしていた大名だった。
サクモは壁に立ち、気配を消して、聞き耳をたてる。
「雪ノ里へ金は渡したか?」
「はい、あいつら金がなくて、火の車なんですよ。しかし、金をみせれば、なんでもやりますね」
ゲラゲラと、大名は笑った。
「木ノ葉も、まだ気づかないとは。平和ボケでしょうか」
くくく……と、
もうひとりの大名が
肩を震わせた。