第26章 帰還
「カカシが先生をやるの??」
え…!?まったく想像ができない。
なんか、めちゃくちゃイジワルな課題とか出しそうなんだけど。
だいたい暗部に入隊する際、カカシは実力を必ず試すのだ。特に男が入隊時は鬼と化す。最近入った新人だって苦戦していたのだ。よく毎回逃げ出さないなと感心するほどだ。
「カカシ、じゃあ……暗部隊長を辞めるの?」
「んー、ま、当分は隊長を務めるけどね。ただ、今敵に攻め込まれたら、木ノ葉は完全に潰れる。今後さらなる強敵が現れることを考えれば、抜本的改革、底上げの教育がなによりも必要だよ」とカカシは付け加えた。
長年、暗部隊長をつとめたカカシ。
後輩や先輩からも高い信頼を得て
慕われ続けた。
カカシがいつか暗部隊長を
引退する。
……テンゾウは号泣だろうな。
「ワシも前々から思っておったが、カカシの負担があまりに大き過ぎるのも問題じゃからのぉ…。暗部もさらなる底上げが必要だろうのぉ」
と自来也さまは
言った。
天才のイタチ。カカシの腹心だったヤナギ。ふたりが抜けたいま、確かにカカシの負担は大きいのだ。
みんな負傷したが、
リハビリを始めている。
カカシだけが
まだ始めれていないのだ。
「そーんなくせに、カカシは明日帰ろうとするしのぉ。まったく…。花奏、ちゃんと無理させんと、安静にさせるのだぞ」と自来也さまが半眼で私を見つめた。
「あはは…了解しました」
私は苦笑いだ。
ぜったい安静にしない。
身体が動くようになればさっそく筋トレから始めるはずだ。安易に想像ができるのだ。
「ーーと言うても、カカシはすぐに無理するのじゃ。しっかり見張るのじゃぞ」と猿飛さまは見抜いているのか、鋭い指摘が飛ぶ。
「しっかりと休養を取るのじゃ。わかったな」とさらなる念押しに、
「……御意」とカカシはうなずき
居心地が悪そうに頭をかいた。
「花奏、身体が戻れば、サスケの護衛を始め、来年度からは教師として任務につくのじゃ」と猿飛さま。
「はい。頑張ります」
と私は身を引き締めて、そう答えた。