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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第26章 帰還


顔に当たる指先に気づいて、まぶたをひらいた。日射しが柔らかく窓から注いだ。カカシと私に朝日の光が当たる。


「花奏、おはよ」

ほほに長い指がかすめた。
横になるカカシの手が
私の髪に覆った。

「ん……おはようカカシ。早いね」
「まあね」

そのままカカシが顔を近づける。合わせるだけの軽いキスが落ちた。

隙間ができると
今度は頬にも優しいキスをくれた。

「ん……もう…ふふ」

くすぐったい。
目じりを柔らかく下げた。

窓の近くの枝に小鳥や鳩がとまる。飛び去る音や鳴き声が外で奏でた。


「カカシ、昨日あれから眠れたの?」

私が聞くと、カカシは口もとを手で押さえた。長いあくびが出る。じつに眠そう。

じんわりと
目じりに涙が溜まった。

「んー…あんまり」

腕をあげて
もう一度背伸びをしたカカシ。
身体をゆっくりと起こした。

「えっそうなの?」
私も起き上がった。

「お前の寝顔見てたら寝れなくなった」

私の頭をくしゃくしゃ撫でるのだ。

「ウソだよ、ぜったい」
私が言うとカカシは面倒くさそうで。

「だいじょーぶだってば、数時間は寝てるよ」

カカシの後ろ髪がぴょんと跳ねる。
可愛い寝癖がついてる。

「ごめんね。いっしょに起きてればよかったね」

カカシの銀髪を後ろから押さえた。手をはなすと、また、ぴょんと跳ね曲がる。

「ふふ、かわいい……」

クスクス肩で笑った。カカシの無防備な姿に、私は目が笑う。ふわふわの銀髪の頭をふわりと撫でた。触れる髪が気持ちいい。

「ねえ、花奏」

大人しく、されるがままだったカカシが
私の背中から、ぎゅっと抱きしめた。

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