第26章 帰還
「どうして?」
あのアパートを出るの?確かに1LDKだから、今後家族が増えたら窮屈だと思うけどね。
「花奏の家は焼けたじゃない。焼けたままじゃ危ないからって、今は更地になってんだよね」
カカシはチラリとベッドから大きな窓を見上げた。窓から火影様の顔石があって、その後ろが木ノ葉の山だ。私が住んでいた場所。
「あそこに家を建てないか?ついでに忍犬も……みんなで住もうかなって思うんだけど、……それはイヤか?」
カカシは言葉を選びながら、ちょっと言いにくそうで。私は笑顔ですぐに「ううん」と首を振った。
「いいよ。カカシずっといっしょに住みたいって言ってたしね。私もいるから交代でお世話出来るしね。大丈夫だよ」
カカシは7歳のときに忍犬と契約した。しばらく、いっしょに暮らしていたけど、ある日を境に離れ離れに暮らし始めた。
暗部に入隊して
激務になった日からだ。
特に暗部ろ班隊長に任命された頃から、火の国の民間業者に預けているって以前に聞いた。
今は忙しいから難しいけれど、いつか引き取りたいと話していた。
「私の土地なら広いし、ドッグランも作れるよ。ブルは体が大きいから、専用の犬小屋がいるかな。あ、テンゾウに犬小屋お願いしよっか」
私がいろいろ提案したら、
カカシはすぐに手を離して
上体を動かした。
私の額や頬。そして唇に
甘い甘いキスを優しく落としたのだ。
「ん…?…カカシ…んん…」
甘い息がもれた。
それからカカシは
ぎゅっと力づよく私を抱きしめて。
「……ありがとうな花奏、助かるよ。嬉しいわ…マジで」
にっこりと。
カカシは目を薄めて
柔らかく嬉しそうに笑った。