第26章 帰還
情事が終わって
私はパジャマのボタンを止めた。
ズボンも履いた。もちろん下着も。拭いても拭いても中が…ヌルヌルする。明日歩いたら、絶対どろって精液が流れる。
ティッシュで拭いてゴミ箱に捨てたけど……たぶん。ぜったい。臭いでバレる。うう…。苦悶。無念。アーメン。
「ねえカカシ」
もうバレても仕方ない。やっちゃったものはしゃあない。たまには諦めも肝心だ。
「いっしょに寝ていい?」
汗ばむカカシの腕に
私は絡みついた。
「えっ」
ちょっと悩んでる。なんでだ。さっき寂しいとか言ったくせに。信じらんない。こんにゃろう。
「……いっしょに寝たいの……ダメ?」
いま離れたくない。
そばでひっついて寝たいの。
猫が飼い主を見つめるように
上目づかいで見上げた。
「ねぇ……お願い…」
私が小首を傾けて聞いたら、
柔らかく目尻が下がった。
「んーー……ま、いっか。寝ていいよ。だけどな、朝起きたら早めに戻らなきゃダメだからな。マジで3代目にドヤされる。一昨日から合わせたら3回目なんだよね」
3回目?それはしんどいな。
あの爺さんの雷は超がつくほどイヤだ。
お叱り中、自分が囚人の気分に陥る。
「花奏、おいで」
カカシは私の腰を抱き寄せて
あたたかい掛け布団をかぶせた。
「ふふ……気持ちいい…」
「そう?」
「うん」
つい笑ってしまう。安心する匂いがくすぐる。ひっついて眠るのが好き。カカシの身体がぬくい。すぐに寝れそうだよ。
「カカシ」
「ん?」
時計の秒針の音が規則正しく刻んだ。私は布団の中で大きな手を探して、ぎゅっと握った。
「手……つないでもいい?」
と聞いた。
「もう握ってるでしょ」
頭をコツンと優しく当てた。
「うん。そうだね」
自然と私は微笑んでる。……好き。なんだろう。ずっと笑っちゃう。カカシと手を繋ぐと安心する気持ちが広がるの。