第26章 帰還
「なに、凄く素直だね。おまえ…」
ずるい手がお腹から
パジャマ越しに膨らみに触れると、
声が漏れた。
「っ……だって…、…んぁっ…」
ビクンっと私の肩が揺れる。気持ちいいのだ。
私の身体が敏感に反応してしまう。
「花奏、なあ誘ってるの?ダメでしょ。病院でこんなことしちゃったら」
してるのはカカシだ。パジャマの中に手を入れた。ひんやりとした手が肌に当たる。
「ぁっ…ん…」
「エッチな声。あー、もっと聞きたい」
乳房に大きな手が触れると、
息が荒くなる。
「……ずっと触ってれるな」
カカシの指が揉んだり摘んだり
私の胸を弄ぶ。
「んっ…」
抵抗はとろりと溶けていた。
だから全然気づかなかった。
テンゾウの声と同時に
ノックが響くのだ。
「花奏先輩、カカシ先輩、すみません、入っていいですかー?」
ひぃ!逆毛立つほど
目をむいて焦ったのは私だ。
「まままままって!ちょっ…と、カカシ、ダメだってば」
パジャマをおろしてカカシの手を離そうとするのに、全然はなしてくれない。
「んーテンゾウ、あと1時間待って」
ちがう。その返事はちがう。
「カカシ、あとでしよう、ね?」
「えーー」なんて言うカカシは無視だ。不満気な顔になったカカシは
振り返った私の唇に長いキスをした。
くちゅっと音が鳴る。ダメだってば。
「ん…カカシ…ね?あとで。ね?」
「約束忘れたら、怒るからな」
お、おどし。
「あははは。う、うん…わかった」
いや、実際の所わかってない。
カカシの強固な手がゆるまると、
私はベッドからおりた。
ムーーっとしたカカシをよそに、私は近くの丸い椅子に腰を下ろした。
「あ、テンゾウ、大丈夫だよ?」
はあ。恥ずかしい。もう。
「失礼します」とテンゾウが扉を開けた。私のとなりのパイプ椅子に座った。
申し訳ない。
ああ。穴があったら入りたい。
「あはは……ごめんテンゾウ」
頭に手をおいた。そうだ。「すぐに帰るね」なんて言ったのに、すっっかり忘れていた。
テンゾウは少し気まずそうで。いや当たり前だ。カカシがテンゾウを邪魔そうな顔で見てる。いやダメだよ。まったく。