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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第25章 戦闘の終焉


「当たり前でしょ。ばーか。泣くなよ。花奏を残して、オレが死ぬわけないでしょ?」

じゃあ。

どうして体に当たる体温が下がるの。
どうして掴まる力が緩まるの。

頬に伝わるのは私の涙じゃない。
カカシのだ。

「花奏、愛してる……心から好きだ。それだけは、忘れんな」


耳元で聞こえたカカシの声が
掠れていた。

カカシ。
なんで無茶ばかりするの。

「……うん。私も好きだよ。だから、ね、ぜったい帰ろうね。ね?……カカシ……?」

嗚咽を漏らした。
そのあと、どれだけ声をかけても、
返事が戻らなくなった。

まだ大丈夫。

脈はある。
心臓の鼓動も響いてる。

はぁ…はぁ……。

助けて。


「カカシ……ダメだからね…ぜったい……ダメだよ……」

心拍が跳ね上がる。
涙で視界は揺らいだ。

「ヤダよ…お願い………」

イヤだ。
お願いだから死なないで。
カカシがいなくなるなんて、死んでもイヤだ。
イヤなの。お願い。

「だれか、…いないの!!」

子どもみたいに
大きな声で泣いた。

「イヤだよ…!!」

天に星が瞬く。
月は見つめたままだ。


神さま……!!


思わず高い天を仰いだ。


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