第24章 戦場
血が噴き荒れる。敵が騒然として怯む。鉄の血の匂いだけになる。手が赤黒い血塗れに変わる。敵の呻き声が増えてゆく。
閃光するチャクラ刀を
振り回した。
無殺法で、めちゃくちゃで、態勢を崩しても、切られても、それでも前のめりで前に突っ込んだ。
狙うは、狙うは、ただひとり。
たったひとり。
あの女を…!!
この女王を…!!
叩っ斬るため。
死んでも構わない。
この女が死ぬならば、
今すぐ死んでも構わない!!
「こぉんの………腐れ外道が…!!」
脳天を潰すつもりで、火花を散らすチャクラ刀を、渾身の力で振り下ろした。
派手な火花が、
目の前で炸裂する。
女王が歯を喰い縛る。とっさに出した
氷の刀の腹で受け止めた。
「ぐ…!なっ…このガキが…!!」
交差する刃が
カタカタと音が鳴る。
「…絶対に……あんたを許さない…!ゆるさない…!」
「…そんなに……あの男が大事か?ならばお望み通り、とどめを刺してやろう」
刃を片手に持ち
指先が細かな結晶となり光り出す。
起き上がるカカシを標的に狙って
氷の刃が飛び散る。
「っ!!くっ…!」
いや!!やめて!!
とっさに瞬身の術を使う。
カカシの身体を担いで、傍に飛んだ。
「くっ…いったた……!!」
避けれたが、それでも氷の剣は、足や腕に貫通した。刃が消えた瞬間、傷口から生暖かい血が吹き出る。
筋肉の筋は切れてない。骨も大丈夫。傷だらけでも、まだ身体は動く。前を見据えた。嗤う女王に再度飛び込もうとすれば、痛みを堪えたカカシの腕が、私を掴んだ。
「花奏、大丈夫か。…アイツを止めれるか。ラスト1発しか撃てないが……やれるか?」
苦痛に顔を歪めるカカシの目が映った。
私は小さく頷く。
アイツを止めれば。
カカシの千鳥で。
「合図するからお願い」
私は女王にもう一度猛攻に攻め込んだ。チャクラ刀が稲光をあげる。まばゆい光が散る。力で止めた氷の刃が交差した。カタカタと音が鳴る。
「なんだ…お前のチャクラ刀…先ほどより弱々しいぞ。チャクラが切れてきたか?」
女は紅い唇を歪ませて微笑んだ。まがまがしい強い力で押しこむ。瞬時に防御に回った。私の顔に汗が流れ落ちた。