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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第24章 戦場


「安心しろ。お前が大事な男もすぐにあの世に送ってやる。木ノ葉も火の海に変えて更地にしてやるわ。アタシにたてつくなど、身のほど知らずめが!」

「くっ!」
氷の剣がチャクラ刀をめり込む。ほくそ笑むのは女王だ。

「このままお前の顔を切り裂いてやるわ。弱い女がよくここまで頑張ったな。お前の負けだ!」

「…か、勝ち目がなくとも、やってみなきゃ分からないでしょう!!」

鋭い目で睨んだ私は、交差した刃を離して、渾身の力でチャクラ刀を振り回した。

「バカめ!そんな隙だらけな攻撃など、効かぬわ!!」

女王があざけ笑い剣を走らせる。呼吸すら惜しい。息を止め、腹に力を込めた。

せめて。せめてせめて。一瞬でも、この女の動きを止めれることができたら…!!隙を作ることができたら。

「バカめ!しね!!」

女王の放つ氷の刃が、
私の腹に勢いよく鋭い力で突き抜ける。

「っ!っがはっ…」

血が舞う。
溢れ落ちる鮮血。

腹にチャクラを込めた。それでも口から血を吐きだす。脇腹から血が湧き出ていく。腹は……急所だ。出血多量で死に至るのだ。


「ーーっ?!小娘…なぜ逃げない!?」


女王は急所を刺した箇所を見て、おののく。目をむいて間近で血を流す私を見つめた。信じられない表情で。

ーーだからだよ。

問うた女王の青白い腕を
がっしりと掴んだ。
動かぬように。逃れぬように。


ーーあなたを止めるためだよ。


腹に刃が貫いたまま私は
口を開いた。

ーー撃って!!!!

豪速のカウンターに
女王が気づくときには
もう遅い。

「っ!なにっ…!!!!」

激しい轟音と共に雷鳴が響く。女王の心臓を強烈な右腕がぶち抜く。青い火花を散らした右腕が女王を貫いた。

千鳥‼︎

青い稲光をまとう右腕が
貫通した女王の身体で、チチチ…と鳴り響いた。

技の神髄を間近で見た私は笑みを浮かべた。
さすが…カカシだ。
こんな技。私は到底マネできない。



「っく……」

大量の血を口腔から、
吐き出して崩れ落ちたのは女王だ。



「……やはり…はたけカカシ…貴様……!まだ動けたか……くそ…先にとどめを刺せば良かった……」


卑屈に悔しがる女王は
呟いた女は地に伏した。

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