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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第24章 戦場


「降りて来い‼︎」

敵が騒ぐなかで、ゆっくりと見上げたのは、あの女だ。青い目の金髪の女。私と歳が近いように見えた。

紅茶を飲みきり、
白いカップを置いて席を立った。


「真の雪ノ里継承者を見下すとは
……頭が高い‼︎」


女の手のひらが
青白く光りを放つ。

「っー!なっ!?」

強烈な突風が地面から吹き荒れる。さらに鋭利の氷柱が四方八方から、私とカカシに向かって剛速で降り注ぐのだ。


印を結ぶ瞬間すら、
見えない。なんて早さなの…!!

「花奏!下がってろ!」

カカシが素早く印を結ぶ。

火遁.炎弾‼︎

カカシが口から巨大な炎を吹いた。
氷柱は勢いを緩めて溶け落ちる。

外れた壁や天井には、鋭い氷が突き刺さり、パラパラと雪の結晶となって砕け落ちた。

「……はぁ…はぁ…」

あれが刺されば……。
ゾッと血の気が引いた。

「アイツが真の継承者か……オレも初めて見たが、他の忍と比べて、チャクラや能力が桁違いだ」

呟いたカカシの表情に汗が滲んだ。

「さすが1000の術をコピーしたと豪語するだけはあるな。アタシの技を防ぐとは……褒めてあげるわ」

女は美しいドレスを身にまとい、
クスクスと邪悪に笑った。



「おまえがトップか」

カカシが言う。
シャンデリアから絨毯の上に飛び降りた。軋む音が響く。

「ええ。アタシが頭よ。でも、貴様の里にいたヤナギなど雑種だと思え。本来、雪ノ里は女系だからな。アタシが真の女王よ」

雪のように白い腕を、
前に伸ばした。

なぜか。
女王が指をさした。
チャクラ刀を構える私を。


「はたけカカシ、貴様……、よくも我が里の忍を次々と殺したな。おまえに今から絶望を見せてやろう」


美麗な女の指先から、綺麗な氷の結晶が飛び出る。細かな塊が一気に無数の鋭利な氷の剣へと変わるのだ。



「仲間が間近で死ぬ苦痛を、
お前も味わうがいい!!」

女は、どす黒い笑みを浮かべて
叫んだ。

「ーーっ!? やめろ!!!!」


カカシが目を見開いて絶叫した。

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