第24章 戦場
「もらったぁ!!!」
女に気を取られる私の脳天めがけて、大柄な男がわめいた。
「小娘が!しねぇぇ!!」
怒鳴り声をさらにあげて、
大きな斧を真っ向に振り下ろした。
「くっ!」
すぐに足にチャクラを集めて、
私は後方に飛んだ。
凄まじい爆音と割れた破片が宙を舞う。
地面に強烈な亀裂が走り、床が割れた。
「っー!!」
なんて、馬鹿力…!
「だけど…」
この大柄な男も動きは鈍い。
閃光を放つチャクラ刀を、
右肩めがけて、力を込めて回し斬った。
男の肩から血が噴き出す。
「…ぐっ!!くそっ!!」
右肩を押さえる大男が顔をしかめて
膝をつく。
「上にいったぞ!」
男が肩をおさえて指をさした。
「へへ、まかせろ!」
振り向いた別の忍が
ニヤリと口角を上げる。
螺旋階段に着地した私めがけて
素早く印を結んだ。
「っー‼︎」
しまった…!!
「雪柱の術‼︎」
巨大な雪の塊が床から生えて鋭利に変形して、そのまま私に襲う。階段から素早く飛んだ。
衝突音が響く。
私のいた螺旋階段が激しく変形して
崩れ落ちる。
なんて力…!!
「っ!!…こんなの、反則!」
1発目
2発目
3発目。
さすがに4発目を避けきれずに、
身体が雪柱に押されて、側面の壁にぶち当たる。
「っ、くっ…」
チャクラで身を守ったが、足に集めたチャクラのコントロールが、大きく乱れる。
兎面のなかで
背中の苦痛に顔を歪ませた。
「いたた………!!」
私が崩れ落ちる場所に
敵が見上げて待ち構えていた。
「あの女ぁ、もらったぜぇ!!」
咆哮した男が嗤った。
勝利を確信した目で印を発動させるのだ。
氷遁の術‼︎
床から鋭い氷の柱が無数に伸びる。
「っ!くっ…!!」
落ちる私の体を貫く為に、
一気に飛んでくるのだ。
しまった……!!
避けきれない…!!
ガードしようと
腕をクロスしたときだ。
「花奏!!」
名を呼んだカカシが私の腕を掴む。そのまま私の身体を引き寄せて、カカシは、天井に吊るされたシャンデリアに飛び移った。
「カカシ!ありがとう…ごめん」
「ああ、花奏、気をつけろよ。コイツら全員、雪遁や氷遁を使うからな。今まで戦った奴とは歴然にちがう」
シャンデリアが大きく左右に揺れる。
みしみしと音が鳴った。